« 怒りの日 | トップページ | 上には上 »

2008年12月14日 (日)

私法上の「認知」と「国籍取得届」

 5日(金)に成立した国籍法一部改正法は,12日(金)に公布され,来年1月1日(木)施行とのことですが(4日(木)の参議院法務委員会の議事録,まだアップされませんね)。

 ところで,私は我が国との結びつきを本質とする国籍の意義の観点から6月4日の大法廷判決に強い疑問を感じている者ですが,今般の国籍法改正に反対する議論における関心の中心は,DNA鑑定を要求する点にあるようです。
 そこで,1点だけ,確認しておきます。

 国籍法新3条1項における「父」とは,(2条1号や現行3条1項の「父」と同様)法律上の父を意味すると解されます。この「法律上の父」がどのように決まるかというと,法の適用に関する通則法29条により,子の出生当時の父の本国法か,認知当時の父の本国法か,認知当時の子の本国法のいずれかによって認知する男性が子の「法律上の父」となれば,その男性が子の「法律上の父」となります。
 国籍法新3条1項で問題になる典型的な場面は,この「男性」が日本国民で,「子」が外国の国民である場合で,この場合の準拠法の選択肢としては,日本法だけでなく,「子」の本国法も出てきます。
 ということは,仮に日本民法を改正して認知にDNA鑑定を要件とするように変更しても,「子」の本国法で意思主義が採られていれば,このような場合には意味がないことになります。むしろ,従来の日本の家族法制度に変更が加えられる弊害の方が大きいかもしれません。

 DNA鑑定を要件とするのであれば,法律上の非嫡出親子関係の成立に向けた私法上の「認知」ではなく,<国籍法新3条1項における日本国籍の取得という公法的効果の発生を目的とする国籍取得届という公法行為>のところに入れる必要があります。

|

« 怒りの日 | トップページ | 上には上 »

国籍法」カテゴリの記事

法律」カテゴリの記事

コメント

森田先生

11月17日の記事にコメントしたものです。
返信ありがとうございました。

自分も諦めず、行動しようと思います。
出来ることはビラ撒きや、友人に知らせる事ぐらいですが
周知の徹底も大事だと思っています。

(行政訴訟の件は、ノウハウも金銭的にもやはり厳しく
立ち消えになりそうです。)

しかし全く諦めた訳ではありません。
今、有志で国会法に基づく請願を集めています。
次期国会にネットをフルに活用して3万枚以上の請願を確保したいと考えています。
ちなみに前回は4日間で1666枚の請願書を集めました。
http://wiki.livedoor.jp/kseigan/d/11/25%c4%c4%be%f0%bd%f1%c4%f3%bd%d0%a5%aa%a5%d5

 当初は次期国会開催後すぐに請願書提出の運びでしたが、
12/7名古屋相談会における馬渡議員秘書の方との情報交換によって、
変更(大幅な長期戦)を余儀なくされています。
逆にいえば請願書を練る時間が出来たと前向きに考えようと
言う事になりました。

実はそれについて、ご相談(どちらかと言えば御願い)
があり、書かせて頂きました。

自分は理系畑で法律にはそれほど明るくありませんので、
もし間違っていたらすいません。

国会法の請願は、請願をされる方全員が同じ書式で書かなければならない、
つまり請願のテンプレートが重要だと思うのです。

有志の中には法学部卒の方、現在法学部に通う学生さんもいるのですが、
やはり森田先生のような専門家のご意見があると俄然、説得力がつくと思うのです。

もし、こちらの掲示板に請願書のテンプレを書き込みましたら
添削をしては頂けないでしょうか?
目を通してくれるだけでも結構です。
先生のお力を是非御貸し下さい。

ずうずうしい御願いなのは百も承知でありますが、
御検討宜しく御願いします。


あと、wikiまとめサイトに
http://www14.atwiki.jp/shinkokuseki/

先生のホームページのリンクをさせて頂けませんでしょうか・・?
駄目でも全然構いませんので、併せて御検討下さい。

1月1日から施行され、どうなるのか
正直不安で堪りません。しかし諦めず、風化させず、
頑張りたいと思います。

人の足を止めるのは、「絶望」ではなく「諦め」
人の足を進めるのは、「希望」ではなく「意思」

失礼しました。

投稿: む | 2008年12月21日 (日) 22時42分

むさん,コメントありがとうございます。

 前後しますが,リンクはご自由になさってください。

 請願の件は,私が意見して説得力がつくかは疑問ですし,請願それ自体の意義にもやや懐疑的ですが,請願が(多数)出ているという事実にはそれなりの重みがあるという印象はあります。
 いずれにしても,こちらについては少々お待ちください。

投稿: 森田博志 | 2008年12月23日 (火) 01時48分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/197180/43416059

この記事へのトラックバック一覧です: 私法上の「認知」と「国籍取得届」:

« 怒りの日 | トップページ | 上には上 »