文化・芸術

2008年1月20日 (日)

国際私法組から得たもの

 人より歩みがのろいので,大学教育に実際に携わってから,3月でようやく丸10年になります。
 学部のゼミ生については,人柄や熱心さばかりでなく進路という点でもまさに十人十色ですので,記憶が強く残っている人ばかりとは限りません。私自身もともと人づきあいの苦手な性格でもありますが,ただ,年をとってきたせいか,ゼミの終了後や卒業後に連絡をもらうと,嬉しく感じるようになってきました(修士号を取得して中国に帰った院の修了生も含む)。

 法科大学院で授業をするようになってからも,早いもので丸4年になろうとしています。ロー生は,目標が共通しており,かつ明確で,これでも相当に神経を遣ってもいますので,10人から20人程度の受講者の名前と顔は,2~3回のうちにほとんど全員覚えてしまいます。
 学部生と比較すると,ロー生はまさに人生の節目の真っ只中にあり,また,年齢の幅もあってお年頃でもあり,学部生とは相当に異なる面をも合わせもつ学生生活を送っているようです。

 3年前期の授業の方は完全に双方向で,毎回,各受講者に対して1対1で向き合っての質疑応答がありますから,全員についてそれなりにかなりの記憶が残ることになります。
 第1回新司法試験の合格者は,既に修習を終えて,実務に就きました。修習地も,東京以外では仙台にタフガイ(?)が1名赴いた程度でしたので,まあ引き続きしっかり頑張っているでしょうと思って,特に心配もしていませんでした(こちらの方が,ハッパをかけられたりしていました)。
 これに対して(?),第2回の合格者は,なかなかにバラエティに富んだことになっています。新婚さんには,全くおめでたいことで,運命を積極的に肯定して,幸せ街道まっしぐらで進んでいただきたいと思います(自分や周囲の人たちにとって何が最も大切なのか,改めて考えてみるよい機会かもしれません)。
 また,修習に行かれた方を含め,皆さん各地に散っていきましたので,天気予報を見るたびに,こちらはいくらか暖かいかなあとか,あちらは寒くて雪も降っているかなあとか,ふと思いめぐらせるのは,短いながらも楽しいひとときです。

 研究者を志して大学に残り,まだ現役の(つもりの)人間としては,(教育の面でいくらかの成果が出ることは嬉しいことである反面)教育に重心を置くことを期待されることへの反発心による葛藤も強く,加えて,行政(事務)負担も半端ではないことからさらに別の葛藤も生じていて,葛藤だらけの毎日です。
 ただ,修了生を含む学生たちの目を見ると,そうとばかりも言っていられませんので,いかにレベルを下げずに効率のよい教育をするかが,引き続いての課題でもあります。
 長い目で見れば,彼らがまさに私の,そしてこの国の財産であり,そのようなことに携わる機会が与えられていることについて,もっと積極的に捉えないといけないように感じ始めてもいるところであります(カステラ食べたいなあ,なんてね。冗談ですよ)。

 そう言えば,NHKは,ときどき不祥事もありますが,また,考えさせられる,大人のドラマをやっていますね。土曜ドラマの「フルスイング」,なかなかいいです。まだ現役でもあり,ぐうたらでもあるので,とてもああはいきません。「ちりとてちん」もそうですが,「修業」とか,プロの凄味とかに,焦点が当てられてきたように感じます。
 昨日の午後など,私自身も,舞踊とか落語(文珍の)を観て,これら日本の伝統芸能は奥が深いので,ようやく面白さが分かる入り口に辿り着いたようにも思いますし,勉強して観るともっとずっと面白いんだろうなあと思いました。お手軽な誰でも分かるものでなく,鑑賞する側にそれなりの蓄積がないと分からないものこそ,つきあう価値があると思うのですが,どうなんでしょうか?

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