大学

2009年9月 3日 (木)

授業評価(08後・09前)

 この時期,日本私法学会から,学会での報告資料が送られてきます。その中に,「家族法改正-婚姻・親子法を中心に」というシンポジウム資料が入っていました。最新のジュリスト1384号(9月1日号)4頁以下に掲載されているものですが,読み始めると,これが結構面白い! まだ窪田充見「実子法」の途中なのですが,堅実な内容のようですし,誠に僣越ながら,民法学者の層の厚さを今さらながら感じているところです。お薦めしておきます。

 今期もまた,授業評価アンケートに対する自己点検のコメントを書く時期がやってきました。半期ごとに実施していることですが,従来どおり,昨年度後期の分と合わせて書いておきます。

 評価項目が細かいので,今回も6つの大項目についてまとめさせてもらいます。なお,大項目の後の青字の数値は私の担当科目に対する評価の平均値,その後の( )内の数値は同じ期間に開講された全科目の平均値です(5段階評価)。

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 「国際私法基礎」(2008年度後期)  アンケート回収数17

 ・授業の設計・実施(質問4~6:計画の事前説明・一致,休講等) 4.92 (4.45)
 ・教育内容(質問7~9:知的刺激,法適用能力,法曹教育) 4.61 (4.32)
 ・教材等(質問10~12:内容,分量,参考文献等) 4.86 (4.34)
 ・教員の教育技術等(質問13~19:話し方,説明,発問,予復習指導等) 4.58 (4.24)
 ・教員の教育態度(質問20~25:情熱,授業準備,対応,公平,親和的等) 4.85 (4.42)
 ・総合評価(質問26・27) 4.75 (4.43)

 この期の特徴は,新司法試験において「国際関係法(私法系)」を選択しない3年生が4名履修していたことです。さすがに,ポイントを把握する力や文章力が,2年生とはかなり差があると感じました。前年度に履修した3年生も4名ほど受講していましたが,そうでない修了生ももちろん含めて,そろってよい結果が出ることを祈っています。
 数名がレジュメを評価しているのも,例年どおりです。「教科書があまり役に立たなかった。先生,独自のテキスト執筆して下さい。」というご意見をいただいて,とてもありがたいことです。ただ,同様のご意見は口頭でも毎年いただくのですが,全範囲を満遍なく勉強するというのは性に合わないので,少なくとも当分はないと思います。
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 「国際私法」(2009年度前期)  アンケート回収数7

 ・授業の設計・実施(質問4~6:計画の事前説明・一致,休講等) 5.00 (4.43)
 ・教育内容(質問7~9:知的刺激,法適用能力,法曹教育) 5.00 (4.36)
 ・教材等(質問10~12:内容,分量,参考文献等) 5.00 (4.35)
 ・教員の教育技術等(質問13~19:話し方,説明,発問,予復習指導等) 4.88 (4.33)
 ・教員の教育態度(質問20~25:情熱,授業準備,対応,公平,親和的等) 4.98 (4.44)
 ・総合評価(質問26・27) 5.00 (4.43)

 従来,板書が課題なのですが,今期も受講者が1時間ほど(?)前に来て自分たちの考える流れを書いてくれていたので,それを利用して楽させてもらいました。
 学内での評判は,定着したように思われます。ただ,今年度は,時間割の関係で,(昨年度とは対照的に)受講者と(国際私法を中心とした)講義後のコミュニケーションがほとんどとれなかったので,ちょっと心残りな感じがあります。
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 今年は,事情により,某法科大学院に今回限りで集中講義に行くことになっていますが,2単位でできることは限られていますので,あまり期待しないでください(もちろん,手抜きをすることはありません)。

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2008年10月10日 (金)

秋の日は釣瓶落とし

 虫の音が心地よい秋の夜。
 数日前からキンモクセイの香りに包まれ始め,そう言えば,キンモクセイの香りが気になるようになったのは,ほんの2年くらい前のことだったか。。。

 昨年に放送されたNHKの土曜ドラマ「ハゲタカ」が非常によくできているので,夏休みにDVDを買い,たまに引っぱり出して観ています。大森南朋さん演じる鷲津政彦は(おそらく多くの方と同様に)カッコいいと思うのですが,共感するのは柴田恭兵さん演じる芝野健夫の方で,たぶん歳のせいなのですかね?(30歳くらいのときだったら,どのように感じたんだろうか?)
 それはともかく,振り返ってみると,昨年のNHKは,異例に充実していたような。。。

 今年もまた,合格者7名から,後輩たちに経験を伝えてもらいました。3年生には,ギアチェンジのいい機会になっているようです。他方,今年の2年生は,(初めて感じることですが)何か空気が緩い感じがします。レールに乗ったと,勘違いしていなければいいのですが・・・
 他方,7月に続き,「切り札」のおひとりに助けてもらって,希望者にメンタルケア(?)してもらいました。来年は,激戦ですよ。

 別件ですが,帝国の没落は,あっと言う間でしたね。

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2008年10月 1日 (水)

後期授業開始ほか

 早くも先月29日(月)に,後期の授業が始まりました(学部は,私は明2日(木)から)。
 選択科目の決定はやはり悩ましい問題で,予想以上の数の2年生が出席していました。また,この機会に国際私法を勉強しておこうと考える意欲的な(?)3年生が数人出席していたのも,今年の特徴です。さて,最終的には,受講者は何名になるのでしょうか? しばらくは,落ち着きませんね。

 そう言えば,隣の建物が改修工事で,研究室は工事現場の中という感じです。学生の方が,待遇がよかったりして(まあ,いいけど。騒音には強いので)。

 海の彼方は,いよいよ恐慌の様相を呈してきたようで・・・(国際取引法ではなく,国際倒産法を範囲に入れておけば,多くの人の役に立ったでしょうに・・・) 此方は,「引き際」観も狂ってきたようで・・・

 皆さん,また新しい日々を過ごされていることでしょう。

 先日は,教え子(と言っても,そんなに歳の差ないですよね? 怒らないでー)が赤ちゃんを見せに来てくれました。おとなしい子で,抱っこしても嫌がることもなく,こちらも和やかな気分になりました。ちっちゃくて,可愛いんですよね(その後,運動不足がたたって,少し足が笑いかけましたが)。

 28日(日)夕刻には,合格者祝賀会が催されました。合格者は,修習や就職のことで,早くも不安な気分を伴っているようでした。
 彼らを祝うために,先輩たちも大勢来ていました。
 第1回合格者は,実務経験が1年近くになり,ずいぶん逞しくなっている感じを受けました。外資系では,タイムカードで15時間とか働いているんだとか。あるいは,一般民事では,外国人も多く日本に来ているため,国際私法を使うことがあるんだとか(実際に役に立っているのであれば,こちらも嬉しいことで)。
 第2回合格者は,和光での締めの修習と二回試験を控えて若干の緊張感もあり,他方で,充実した修習をしてきたようで,地方では食にも恵まれていたようです。その所為かどうか,修習先で就職を決めてきた人が結構いました。あと2か月,大過なく過ごしてください。

 また,いろんなことが始まりますねえ。

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2008年9月 5日 (金)

授業評価(07後・08前)

 自民党のニュースばかりで,うんざりです。「コップの中の嵐」でも,その結果が庶民にとって改めて破壊的なものになりかねないことに,非常な嫌悪感を覚えます(総選挙まで,ぐっとこらえて我慢々々!!

 今期もまた,授業評価アンケートに対する自己点検のコメントを書く時期がやってきました。半期ごとに実施していることですが,従来どおり,昨年度後期の分と合わせて書いておきます。

 評価項目が細かいので,今回も6つの大項目についてまとめさせてもらいます。なお,大項目の後の青字の数値は私の担当科目に対する評価の平均値,その後の( )内の数値は同じ期間に開講された全科目の平均値です。

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 「国際私法基礎」(2007年度後期)  アンケート回収数22

 ・授業の設計・実施(質問4~6:計画の事前説明・一致,休講等) 4.70 (4.42)
 ・教育内容(質問7~9:知的刺激,法適用能力,法曹教育) 4.64 (4.42)
 ・教材等(質問10~12:内容,分量,参考文献等) 4.65 (4.42)
 ・教員の教育技術等(質問13~19:話し方,説明,発問,予復習指導等) 4.35 (4.38)
 ・教員の教育態度(質問20~25:情熱,授業準備,対応,公平,親和的等) 4.67 (4.51)
 ・総合評価(質問26・27) 4.61 (4.55)

 この期の特徴は,何と言っても,全科目の平均値が従来より高くなっていることです。皆さん,改めて気合いを入れ直されたのでしょうか?
 私の科目では,3年生の多くが改めて聴講し,理解が深まったとの感想をもらいました(今年の新司の問題がイマイチ(ニ? サン?)で,気の毒でしたが・・・)。後期の授業としては,(改善の余地がないわけではもちろんありませんが)まあこんなところでしょう。「先生は最高です。」なんて書いてくれた人がいて,喜んでおりました(単純ですね,私は)。
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 「国際私法」(2008年度前期)  アンケート回収数13

 ・授業の設計・実施(質問4~6:計画の事前説明・一致,休講等) 4.77 (4.42)
 ・教育内容(質問7~9:知的刺激,法適用能力,法曹教育) 4.95 (4.33)
 ・教材等(質問10~12:内容,分量,参考文献等) 4.95 (4.31)
 ・教員の教育技術等(質問13~19:話し方,説明,発問,予復習指導等) 4.75 (4.26)
 ・教員の教育態度(質問20~25:情熱,授業準備,対応,公平,親和的等) 4.93 (4.42)
 ・総合評価(質問26・27) 4.92 (4.41)

 従来,板書が課題なのですが,今期は受講者の半数くらいが1時間ほど前に来て自分たちの考える流れを書いてくれていたので,それを利用して楽させてもらいました。教育学部なんかでは板書技術も教育されているんだそうで,これからの学生は,高校まで提供されていた板書法を,期待するようになってくるそうな。内容でカバーできると思いたいところ・・・
 「15回はみじかい~」という感想を書いてくれた人がいて,ありがたいのですが,事例演習で双方向の形式だと,15回が限度でして,このくらいでご勘弁を!
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 頑張っている優秀な学生たちに,幸あれ!!(でも,成績評価は,甘くない(かも)よ!)

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2008年3月27日 (木)

自活すればよいではないか!

 25日(火)に,めでたく修了式を迎えました。修了生たちから人として成長した様子が窺えたことが,私には何より嬉しく思われました(何事にも,例外はつきものではありますが・・・)。

 私は専門法務研究科(法科大学院)に所属していますので,第一にその修了生たちの将来を気にかけているわけですが,別の研究科の修了生には,博士の学位を取得され学長表彰まで受けられた方で修士1年のときに大学院の私の授業を受けられた社会人の方もいます。国税通則法や国税徴収法に精通された租税実務の方で,私が今まで見た人(学生には限らない)の中では,文章を素早く正確に理解する力はダントツであったと記憶しています。何とか研究を続けられる場を,得られるとよいのですが・・・

 さて,最近は,ますます理不尽かつ凄惨な事件が起こるようになり,何とも言えない気分になります。それはともかく,専ら経済的な問題で大学への進学を諦める子も増えてはいますが,それだけなら何とかなるのではないかという自身の経験を書いておきます。

 私は,経済的には恵まれない家庭で育ちましたが,学費だけは必ず工面するからとアルバイトを禁じられていました。浪人中の,志望校の合格確実圏内に入った秋頃でしたか,突然のこと,学費が用意できなくなりそうであることを告げられました。全く生活力がつかないように育てられていましたので,これには床が抜けたような感じとでもいうのでしょうか,ある種の不信感や絶望感を味わいました。
 そうしたところ,ある雑誌の新聞奨学生の広告が目にとまりました。敷金・礼金などの当座のお金を用意する必要はなく住む場所が確保でき,入学金などを借りることもできるということで,とりあえずこの制度を利用すれば大学に進学することができ,また,これしか方法がないように思われました。

 仕事の内容は,新聞配達・折込みちらしのセット,集金といったもので,通常の業務が1日5~6時間,週休1日,月末・月初の土日は集金でほぼ終日つぶれるといった感じで,結構たいへんでした。しかも,私の場合,浪人中はほとんど運動せずで,1年間続くかどうか不安でもありましたので,1年未満で辞めても4割程度は奨学金を確保できる某奨学会にお世話になったのですが,配達区域が朝夕刊で42キロ(マラソンかい!)あり,最初の1~2カ月は自転車で回りましたので,膝の内側の筋肉が盛り上がり,常にジンジンと痛みのある状態が続きました。
 が,GWあけくらいからバイクで配達するようになり,その点は楽になりました(ただ,今から思うと,交通事故に遭わなくて,本当に幸運だったと思います)。それにしても,雨の降る中に2時間もいると,かっぱの中に水が滲みてきますし,冬の朝は超寒いし,・・・たまたま積雪の多い年だったので,その度に吹き溜まりなどをバイクで進むのは完全な力仕事になり,道ではスリップするし,そのために普段の倍以上の時間がかかるしで,いろいろとたいへんでした。集金では,「今,金ない」とか平気で言う人はいるし,居留守は使われるし,こちらの性格も歪むというものです。
 とはいえ,夜明け前の清々しい空気は,そんなことでもしないとなかなか味わう機会のないものですし,限界を超えて身体を動かしても,若いのですぐに体力がつくしで,悪いことばかりではなかったように思います。

 それでも,勉強する時間は限られますし,とにかく朝が早いので睡魔と戦わねばならず,これはなかなかに厳しいものでした。そこで,ある一定の金額を設定してそれが貯まれば辞めようと考え,授業料免除や育英会の奨学金などの申請をし,めでたく1年間で次のステップに進めたのでした(つまり,バイトを家庭教師などの効率のよいものに変えたということです)。

 とにかく,本当にやる気があるのなら,道はどこかに開けているはずであると思って,それを本気で探せということです。他人を傷つけるような者は,本気で自分を活かす気がないのだと思いますね。

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2008年3月 1日 (土)

主な学内負担歴

 当世,あまりに理不尽な話を耳にすることが多くなりました。来年度は私自身はそのようなことから解放される見込みがかなり高くなりましたが,いずれにしても今まで何をしてきたのか,面白いので整理してみました(対外的にはほとんど何もできませんので,省略)。

 以下,法学科
97.10 - 98. 3:図書委員
98. 4 - 99. 3:図書委員長(附属図書館運営委員)
99. 4 - 00. 3:教務委員(入学広報専門委員)
99.12 - 01. 3:カリキュラム検討委員
00. 4 - 01. 3:書記

00. 6 - 01. 3:実践法学講義内容検討委員

01. 4 - 01. 8:図書委員
01. 4 - 02. 3:将来構想委員
01. 8 - 02. 3:予算・施設設備委員
01.10 - 04. 3:講座委員
(02. 4 - 03. 3:社文研自己点検委員)
03. 4 - 04. 3:予算・施設設備委員長

 以下,法科大学院
03. 7 - 04. 3:学務・入試委員,書記
04. 4 - 04. 9:予算委員
04. 4 - 05. 3:入試委員
05. 4 - 06. 3:図書委員
(05. 4 - 06. 3:社文研研究分野代表)
(05.10 - 06. 3:人社研入試部会委員)
06. 4 - 08. 3:学務委員

 最近は,まるで部局内に数人しかいないかのようですね。これで教育面でも相当の成果を挙げているのですから,ガタも来るというものです(国際私法組の教え子たちには,本当にありがたく思っています)。
 今の3年生の面倒はほとんど見ることができなかったのですが,それでも健闘を期待しています。あと一息ですよ。

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2008年1月20日 (日)

国際私法組から得たもの

 人より歩みがのろいので,大学教育に実際に携わってから,3月でようやく丸10年になります。
 学部のゼミ生については,人柄や熱心さばかりでなく進路という点でもまさに十人十色ですので,記憶が強く残っている人ばかりとは限りません。私自身もともと人づきあいの苦手な性格でもありますが,ただ,年をとってきたせいか,ゼミの終了後や卒業後に連絡をもらうと,嬉しく感じるようになってきました(修士号を取得して中国に帰った院の修了生も含む)。

 法科大学院で授業をするようになってからも,早いもので丸4年になろうとしています。ロー生は,目標が共通しており,かつ明確で,これでも相当に神経を遣ってもいますので,10人から20人程度の受講者の名前と顔は,2~3回のうちにほとんど全員覚えてしまいます。
 学部生と比較すると,ロー生はまさに人生の節目の真っ只中にあり,また,年齢の幅もあってお年頃でもあり,学部生とは相当に異なる面をも合わせもつ学生生活を送っているようです。

 3年前期の授業の方は完全に双方向で,毎回,各受講者に対して1対1で向き合っての質疑応答がありますから,全員についてそれなりにかなりの記憶が残ることになります。
 第1回新司法試験の合格者は,既に修習を終えて,実務に就きました。修習地も,東京以外では仙台にタフガイ(?)が1名赴いた程度でしたので,まあ引き続きしっかり頑張っているでしょうと思って,特に心配もしていませんでした(こちらの方が,ハッパをかけられたりしていました)。
 これに対して(?),第2回の合格者は,なかなかにバラエティに富んだことになっています。新婚さんには,全くおめでたいことで,運命を積極的に肯定して,幸せ街道まっしぐらで進んでいただきたいと思います(自分や周囲の人たちにとって何が最も大切なのか,改めて考えてみるよい機会かもしれません)。
 また,修習に行かれた方を含め,皆さん各地に散っていきましたので,天気予報を見るたびに,こちらはいくらか暖かいかなあとか,あちらは寒くて雪も降っているかなあとか,ふと思いめぐらせるのは,短いながらも楽しいひとときです。

 研究者を志して大学に残り,まだ現役の(つもりの)人間としては,(教育の面でいくらかの成果が出ることは嬉しいことである反面)教育に重心を置くことを期待されることへの反発心による葛藤も強く,加えて,行政(事務)負担も半端ではないことからさらに別の葛藤も生じていて,葛藤だらけの毎日です。
 ただ,修了生を含む学生たちの目を見ると,そうとばかりも言っていられませんので,いかにレベルを下げずに効率のよい教育をするかが,引き続いての課題でもあります。
 長い目で見れば,彼らがまさに私の,そしてこの国の財産であり,そのようなことに携わる機会が与えられていることについて,もっと積極的に捉えないといけないように感じ始めてもいるところであります(カステラ食べたいなあ,なんてね。冗談ですよ)。

 そう言えば,NHKは,ときどき不祥事もありますが,また,考えさせられる,大人のドラマをやっていますね。土曜ドラマの「フルスイング」,なかなかいいです。まだ現役でもあり,ぐうたらでもあるので,とてもああはいきません。「ちりとてちん」もそうですが,「修業」とか,プロの凄味とかに,焦点が当てられてきたように感じます。
 昨日の午後など,私自身も,舞踊とか落語(文珍の)を観て,これら日本の伝統芸能は奥が深いので,ようやく面白さが分かる入り口に辿り着いたようにも思いますし,勉強して観るともっとずっと面白いんだろうなあと思いました。お手軽な誰でも分かるものでなく,鑑賞する側にそれなりの蓄積がないと分からないものこそ,つきあう価値があると思うのですが,どうなんでしょうか?

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2007年9月15日 (土)

第2回新司法試験合格発表

 13日(木)に第2回新司法試験の合格発表があったことは、周知のとおりです。うちの学生も、予想以上の(!)大健闘でした。と言っても、全員が合格というわけではもちろんありませんので、昨年同様、手放しで喜ぶまでは行きません(どちらかと言えば、淡々としています)。

 嬉しかったこととして、まずは、国際私法組で昨年度に不合格となった3名がそろって合格したことを挙げます。昨年、合格発表後しばらくしてお目にかかると(ほぼ2人に1人は受かった試験でしたからなおさら)憔悴していて、本当に痛々しい状態でした。とにかく腹を括って頑張るしかないと言って突き放したのですが、よく立て直して実力を発揮することができたと感心しています。この1年のことが将来必ず活きてくるはずです。
 次に、今年の3月に修了した国際私法組の9名中6名が合格でした。こちらは、ほぼ粒ぞろいでした。第1期の方々同様まとまりもよく、しかし試験ですから明暗が分かれてしまいました。颯爽と駆け抜けていかれた方々には、これからがまたたいへんですから、さらに順調に進んでいかれることを期待したいと思います。他方、まとめ役だったと思われる方を含め、今回は無念な思いをした方々には、冷たいようですが、上記の3名という逆境を乗り越えたお手本が身近にあることですし、何とか早く「戦闘再開」に漕ぎ着けていただきたいと切に思います。

 以上、合格者も、今回は不運なことに不合格だった方も、国際私法については、3年後期の仕上げの時期以後、自分たちで頑張ったのでして、私は基本的にほったらかしにしていました。いつまでも教員を頼りにするような依存心の強い人でなく、自立心の旺盛な方に法曹になってもらうのでなければ困る、と個人的には思いますが、こんなことを書くと顰蹙を買うのでしょうね。でも、こちらにも人生の目的があるのでして、これ以上は御免です(いろんな意味で悪化しているのですから)。但し、不運にも不合格だった方には、そのうちご連絡します(これも、昨年と同じ)。私は、現状維持の安定志向なのです(ホント?)。

 それにしても、今回の試験については、トカゲのしっぽ切りで終わるのですね。釈然としない気持ちは、受験生ならずとも、残り続けます。そんなこともあったのに、しぶとく頑張った方々には、心から敬意を表します。

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2007年9月 6日 (木)

授業評価(06後・07前)

 「美しい国へ」、どなたが範を示してくださることやら・・・

 前回、途中追記でリンクしておいた石黒先生の公開講座の録画、もうご覧になりました?

 引き続きドイツ語文献読みの毎日であったところ、前期の期末試験が始まって、学務委員の私は、やや気が散っています。まあ、一時的なことなので・・・

 今期もまた授業評価アンケートに対する自己点検のコメントを書かないといけませんで、ここにも昨年と同じように書いておきます。
 昨年度後期までのアンケートは、27の評価項目につき5段階で評価してもらい、自由記載欄も設けられているものでした。それが、今年度前期には、項目数を3つだけスリム化しつつ、教育内容にもやや力点を置いたものに変更されました。
 評価項目が細かいので、今回も、6つの大項目についてまとめさせてもらいます。なお、大項目の後の青字の数値は私の担当科目に対する評価の平均値、その後の( )内の数値は同じ期間に開講された全科目の平均値です。

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 「国際私法基礎」(2006年度後期)  受講登録者数22、アンケート回収数20

 ・授業の実施(質問4・5:休講、遅刻) 4.68 (4.73)
 ・担当教員(質問6~10:話し方、受講者の扱い、情熱等) 4.59 (4.26)
 ・授業方法等(質問11~15:計画、テーマ・内容、準備、時間配分等) 4.57 (4.27)
 ・教材等(質問16~20:選択、工夫、板書、予復習指導、予習負担等) 4.43 (4.06)
 ・進め方等(質問21~28:体系性、説明の仕方、発問、回答、意思疎通等) 4.38 (4.06)
 ・成果・全体評価(質問29・30) 4.71 (4.17)

 問題点、自由記載とも、昨年度後期と同様なので、省略します。
 昨年度よりも、(全科目に対するのと同様に)評価が辛くなったのは、試験制度がよろしくないために学生に余裕がなくなったことが大きいように受けとっています。また、こちらが学務委員の仕事で神経を擦り減らしてパワーダウンしていたのに対し、受講者は倍増したうえ事情により広い教室で授業をしたことも、関係していそうです。
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 「国際私法」(2007年度前期)  受講登録者数15、アンケート回収数13

 ・授業の設計・実施(質問4~6:計画の事前説明・一致、休講等) 4.61 (4.25)
 ・教育内容(質問7~9:知的刺激、法適用能力、法曹教育) 4.49 (4.15)
 ・教材等(質問10~12:内容、分量、参考文献等) 4.36 (4.11)
 ・教員の教育技術等(質問13~19:話し方、説明、発問、予復習指導等) 4.22 (4.06)
 ・教員の教育態度(質問20~25:情熱、授業準備、対応、公平、親和的等) 4.75  (4.24)
 ・総合評価(質問26・27) 4.73 (4.28)

「問題点
 ・板書(図示した方が簡単だと分かっていても、言葉で説明しようとしてしまうのは、結局は文章力で勝負している者の性とでも言いますか。しばし反省します。)」
・・・と去年書いたのですが、簡単には改善されませんね。参りました(それでも、全科目平均と同じではあるのです)。

 今年度は点は辛いのですが、自由記載欄を見ると、悲観すべき「特段の事情」はなさそうです。良かった点として記載されていることをややまとめて示しますと、かなり多くの問題について効率的に深めることができたこと、質問しやすい雰囲気であったこと、事例を通じて具体的な運用方法に触れられたこと、丁寧に答えていて分かりやすかったこと、質疑が活発になされ自分の見落としや勘違いに気づくことができたこと。以上、結構いいでしょう!? さらには、「ソクラテスメソッドが有効に活きた、ロースクールらしい授業だったと思う」とか「楽しかったです。(ロースクールの授業で一番有意義だったと思う)」とか書いていただいているのは、これは本当にありがたい評価ではありますが、過分な感じがします(私自身が、立ち往生したりしてしまいますからねえ)。
 時間が延びてしまう点は、時間配分につき、さらに十分注意しないといけないと思います。それから、このテキスト、この説がよいとはっきり言ってほしいという期待は、毎年出される期待ではありますね。ただ、私はこれでも研究者の端くれでありまして、一応期待に沿って通説・判例を中心にお話ししているつもりですが、いろいろな欠点に目をつぶって、これがいい、とか、なかなか言えないのです。ご理解くださいませ。
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 今回は、実は書きかけのものがあったのを飛び越えました。ちょっと中途半端には出せない内容なので。。。 まあ、何とか近いうちに。では。

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2007年6月23日 (土)

代理出産最高裁決定

 いろいろあって、まともな更新は、しばらく無理です。毎日(のように)アクセス下さっている方には、まことに申し訳ないことです。

 以前、代理出産についての実親子関係を確定する米国ネヴァダ州判決につき公序違反として承認しなかった、最決平成19年3月23日裁時1432号80頁が登場したことに触れました。この決定は、生殖補助医療を扱う法律学の授業では、必ず触れるべきものでしょう(そうしない人がいるという話をすると、信じ難いという反応が返ってきます)。
 私自身について言うと、昨年度の学部のゼミでこの問題を扱いました。また、この事例に関して、外国判決の承認と親子関係の成立についての復習ができることから、学部講義の最終回に採り上げる予定です。そのためには相当の準備をしないといけないのですが、地方の国立の悲しさ、あまり余力がありません(少しずつ、やるしかありませんね)。

 検討すべき文献として、最新のものとしては、樋口範雄「人工生殖で生まれた子の親子関係」法教322号(2007年)132頁が出ています。ところどころ引っ掛かるところがありますが、確信がもてないので、ちょっと突っ込んで勉強するしかありませんね。

 ではまた。次は、いつになりますか?

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